農家のご紹介
静岡県 株式会社鈴木農園
IcT技術を活用した、いちご農家の取り組みを知る
vol.01株式会社鈴木農園
日本の農業就職人口の減少や高齢化が進む一方、 *IoTやIcTといった新しい技術が導入されつつある現代の農業。 今回お話を伺ったのは、静岡県掛川で”統合環境制御技術”を取り入れたいちご栽培を営む、 株式会社鈴木農園の代表・鈴木春雅さん。機械の導入で何が変わったのか?今後農業はどうなっていくのか? 生産の現場から見た現状や、今後の課題、将来の展望について聞いてきました。
*(Internet of Thing(物のインターネット)の略で、様々な「モノ(物)」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み。 )
*(Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、通信技術を活用したコミュニケーションを指します。)
*(Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、通信技術を活用したコミュニケーションを指します。)
鈴木農園について


晴れの日が多い静岡県掛川市の海岸近くで、1980年頃からいちご農家を営む鈴木農園さん。「とにかく相手が喜ぶものを作る」というこだわりのもと、いちご一筋で経営をしています。2004年頃、息子の鈴木春雅さんも経営へと加わり、その後「株式会社鈴木農園」として法人化。社員が安定して務めることができる体制づくりに努めています。シーズンになると一般客も楽しめるいちご摘みに加え、豊富な種類のいちごを栽培しているのも特徴で(現在全8種類)、全国的にも希少価値の高い「パールホワイト」という白いいちごも生産しています。残念ながら取材を行った12月半ば現在は、いちご摘み体験は出来ませんでしたが、店頭には色鮮やかな赤と白のいちごが並んでいました。
システム導入で”見えないもの“をモニタリングすることが可能に
2013年頃から「統合環境制御技術」を導入した鈴木農園さん。この設備により、植物の育成に関するハウス内の環境因子を数値として可視化し、管理出来るようになったそうです。細かい調整を行い、ハウス内の環境を理想の数値に近づけることで、植物がなるべくストレスを感じない環境を作ります。

制御しやすい環境=理想の環境
従来のハウス栽培は温度管理だけを行うものでした。しかし植物にとっての理想の環境は、温度、湿度、二酸化炭素、光などの様々な要因を統合的に制御することです。例えば、温度を1時間に数度ずつ上げるように暖房機を稼働させ、日射量が10ワットになり、温度が15度ならばカーテンを開ける。カーテンは数%ずつ段階的に開け、日射量に合わせて二酸化炭素は濃度を高め、反対に濃度を抑えるときは窓を開ける。換気窓は少しの温度変化をみながら開閉し、風向きによって開け方を変え、湿度が高すぎれば少し開け、暖房機を動かし湿度を下げる———。
このような、人の手だけで行うことが不可能に近い複雑な作業が、システムによってそれぞれの機器を統合的に制御することで可能になりました。
機械があっても、仕事自体変わらない
しかし、システムによって環境の制御が可能になっても、いちごにとっての「理想の環境」は、やはり直接観察しなければわかりません。数値を入れるのは人の手です。もちろん収穫・選別も全て人の手で行います。日々観察し、細かい調整などの行き届いた管理があってこそ、甘くて美味しいいちごができるのです。方法は変わっても、「仕事自体は変わらない」と鈴木さんは言います。
農家全体に最新の機械や設備が浸透するにはまだ課題が残る
2013年頃から導入しやすい価格帯のシステムが販売され、広まっているそうですが、鈴木さんは農家全体への普及に関しては、まだまだ難しいと感じているそうです。その理由は「コストの高さ」にあります。たとえ技術が発展しても、「コストが高くて導入できない」「費用対効果が生まれない」と考える農家も多いのが現状です。
そして「コストの高さ」の原因のひとつとして、欧米仕様のシステムがあります。オランダなどの欧米諸国では大きなハウスでの栽培が一般的なのに対して、日本では複数の小さなハウスでの栽培が一般的です。現在の制御システムはハウスごとに導入が必要で、コストも手間も嵩むため、1台で複数のハウスが制御できるようになるのが理想だといいます。
そして「コストの高さ」の原因のひとつとして、欧米仕様のシステムがあります。オランダなどの欧米諸国では大きなハウスでの栽培が一般的なのに対して、日本では複数の小さなハウスでの栽培が一般的です。現在の制御システムはハウスごとに導入が必要で、コストも手間も嵩むため、1台で複数のハウスが制御できるようになるのが理想だといいます。

遠隔地からでもいちごを管理することが今後の目標
農業の仕事で大変なのは、常に植物を気にかける必要があること。植物は環境に作用されやすく、生産はいつも不安定です。将来の目標は、「常に現場に行かなくても植物を管理できる施設を作っていくこと」、そして「自身や社員が、面白く!期待できる農業を行っていくことが夢」と語る鈴木さん。技術が進んだ先には鈴木さんの望むような未来が待っているのでしょうか?経済面でも課題は残りますが、技術の発展がこれからの農場経営にどう影響を及ぼしていくのか楽しみです。
1月から5月はいちご摘みのシーズン
基本情報
株式会社鈴木農園
- 所在地
- 静岡県掛川市大渕4240
- 電話番号
- 0537-48-6358
- 営業時間
- 9:00-17:00
- 取扱商品(詳細)
- イチゴ
- URL
- http://www.15suzuki.com/







